12月15日(日)びわ湖大津プリンスホテルで、同日放送された大河ドラマ「光る君へ」(NHK)最終回のパブリックビューイングと、出演者によるスペシャルトークショーが開催されました。
トークショーではまひろ/紫式部役の吉高由里子さん、藤原道長役の柄本佑さんが登壇され、約28倍の抽選に当選した約950人のファンの前で、撮影の裏話などを語っていただきました。
今回は、大いに盛り上がったトークショーの様子をお伝えします。
ー最終回の日(12月15日)を迎えましたが、今の心境をお願いします。
吉高さん
最終話を見届けてくださった皆さんが目の前にいるというのは、私自身高揚しています。まひろの子どもの頃から見守って、まひろの将来を見届けてくださってありがとうございます。
柄本さん
不思議な感じです。2年半くらい撮影していたので、最終回なのかという不思議な気持ちです。まだ、消化しきれていない感じですが、皆さん高揚していらっしゃるのかなと思うと嬉しい気持ちもあります。最終回を見た直後、同じ気持ちを共有できて嬉しいです。
ー「光る君へ」では、まひろの幼少期のエピソードも『源氏物語』に入っているようですが、どういう意図があるのでしょうか。
吉高さん
自分が経験したものはすべて物語の糧。最後、隆家が言う「悲しくともさみしくとも人生は続いていく」というのも、たくさん人間を見てきた作家の大石さんからのメッセージを感じます。
柄本さん
道長としては源氏物語を読むことで、今まで知らなかったまひろを知り、こういう女性だったのだと、新鮮にまひろを知っていく感じでした。道長としても一番の読者になれるのが嬉しかったのかなって思います。
吉高さん
でも、源氏物語は役に立たないみたいなこと言ってたよね。
柄本さん
道長そういうところあるんですよ。自分のこととかまひろのことでいっぱいになったりするのかな。まひろかそれ以外かっていう気持ちで演じていました。
ー道長の死で終わりを迎えますが、あのシーンをどう捉えていますか。
吉高さん
泣くのを我慢しないと、と思っていましたが、こんなに弱っている道長を目の当たりにしてびっくりしました。
柄本さん
中島さん(演出)に最後のシーン痩せてと言われて、説得力があった方がいいと思ったので痩せました。4日間撮影があって、最初の2日間は普通の状態で、3日目からやつれてといった感じでした。道綱さんと実資さんが来てくれたのですが、佑くん全然違うって言われました。
ー道長が左手を差し出すシーンが印象的ですが、道長の心境はどうなのでしょうか。
柄本さん
台本に(まひろを探す)みたいなことを書いてあって、触れたかったのではないでしょうか。
吉高さん
中島さん(演出)に、道長を鼓舞するような感じで、まだまだ生きるぞって励ますような元気な声で話して、だけど顔は悲しそうにしてくれと言われました。本当に大事にしてきたシーンで、他のシーンが駆け足になってないか心配になるくらいでした。
柄本さん
まだそこまで客観的に見れていないのですが、別れのシーンでは権力者とかではなく、まひろにシンプルな愛情を出せたのかなって思います。道長は、誰にも看取られていないのです。見つけられたときには、亡くなっていた。切ないですが、ドラマとしてはいいなと思うところでもあります。
吉高さん
あのシーンで「光る君の最期を書かなかったのは、幻がいつまでも続きますようにと願ったからでございます」という印象的なセリフがあって、物語がずっと続いていくんだろうなと感じたセリフでした。それを願っているのだろうなと、二人の物語はずっと続いているからまひろは最後も歩き続けていたのじゃないかなと思います。
ー演じる上でそれぞれの存在はどういったものでしたか。
吉高さん
存在はとても大きかったです。いつも穏やかで、撮影中本当に苦しい時期もありましたが、佑くんが穏やかにみんなを和ませてくれたのでほっこりしながら現場に入れました。あとは、お芝居です!私丸投げしていました。道長が佑くんで良かったです。本当に感謝しています。私がまひろを演じることができたのは、道長が佑くんだからだと思っています。ありがとう!
柄本さん
私も全く同じことを返したいです。吉高さんとのお芝居がとっても楽しかったです。
ーおおつの印象はどうですか。
吉高さん
景色がすごく良いなと思います。東京には景色を見渡せるところが身近にないので、視界の一番先の山まで見える感じが素敵だと思います。真ん中にびわ湖があるから、見晴らしが良くて。あと皆さん元気だと感じます。イベントの前に石山寺に行ったら、お客さんの歓声がすごくて、「佑くん!」じゃなくて「道長さま!」って役名で読んでいただいてました。帰るとき皆さんに拍手して送り出してもらいました。
柄本さん
石山寺は初めて行きました。ここセットで見た場所だ!とセットを思い出して、スタッフさんが作ったセットがすごくリアルだったんだなって思いました。石山寺では、大河ドラマ館に入って、その後石山寺の本堂をお参りできるという配置と動線が素晴らしく、ワクワクする感じが良かったです。昨日は、三井寺や日吉大社をゆっくり巡りました。三井寺で1300年、日吉大社で2000年以上前から続いていて、当時の資料が残っているのがすごいです。道長を身近に感じることができました。
ー最後に会場の皆さんにメッセージをお願いします。
柄本さん
今日は集まっていただきありがとうございます。「光る君へ」という旅は終わりましたが、私たちの仕事は続きますので、これからも応援してください。また、来ます!
吉高さん
本当にあっという間に、この日が来てしまって、この日を何事もなく迎えることができたのは皆さんが応援してくれたおかげです。すごくあっという間で、宝物みたいな期間でした。いろんなところから来ていただいてありがとうございました。すごく名残惜しいです!