
大津市では学校や教室へ行きづらさを抱える子どもたちが、安心して過ごせるように、2つの居場所づくりに取り組んでいます。
学校の中にあることの良さを生かしながら、子どもたち一人一人の状況に応じた支援を行う「校内ウイング」
学校の枠を超え、さまざまな人たちとの関わりを通し、子どもたちが社会で生きる力を育む「教育支援ルームウイング」
今回の特集では、これら2つの「ウイング」が子どもたちの心にどのような変化をもたらしているのか、その活動の内容と役割を紹介します。

学校内で自分らしく過ごせる場所
校内ウイング
大津市では、令和6年度から全ての小中学校に「校内ウイング」を設置しています。各学校が、教室へ入りづらい子どもたち一人一人のニーズに応じた学びの場を提供しています。

やってみたいことを、先生がそばで応援してくれる
私たちの思いや興味・関心を尊重しながら、やってみたいことにチャレンジできます。先生がいつでも応援してくれるので、やってみようと思えます。



私のペースで学習を進められる
自分自身でその日にやることを決めて取り組みます。
一人一人のペースを大切にしてくれる環境なので、安心して勉強できています。




少し疲れたときは、ソファでひとやすみ
教室へ入るのが少し不安なときや気が重いときは、ソファなどでリラックスして過ごしています。焦らず心を落ち着けることで、次の一歩を踏み出すことができます。




ひとりじゃないから、安心できる
信頼できる先生や友だちと少人数で関わりながら、心のエネルギーをためています。
おしゃべりをしたり、自分たちで決めたルールで遊んだりして少しずつコミュニケーションを深めています。

不登校は誰にでも起こり得ることです
不登校の子どもたちの割合は、全国的に増加傾向にあります。学校に行けなくなることは誰にでも起こり得ることであり、決して子どもたちが悪いわけではありません。
子どもたちの安心できる居場所「ウイング」は、その名のとおり子どもたちが翼を休め、エネルギーを蓄え、再び羽ばたいていくことを目的としています。信頼できる人との関わりを通して、自分の大切さに気付き、やりたいことを見つけ、挑戦できるよう支援しています。
通ってみてどうだった?みんなの声
Q. 校内ウイングを利用することで学校に来やすくなりましたか?

Q. 校内ウイングは安心できる居場所だと感じますか?

「もしも」の不安が安心感に変わる場所
以前に比べて、少しずつ学校に来やすくなってきました。
「教室にいるときにしんどくなったらどうしよう」という不安も、少しずつ和らいできています。
自分に合った学び方を発見!
以前は授業に対して苦手意識があり、勉強からも遠ざかってしまっていました。でも今は「校内ウイング」で自分のペースを大切にしながら勉強することができるようになり、とても嬉しいです。
校内ウイングの利用で午前中の登校が可能に
不登校になってから、他の生徒がいる時間帯に登校することは、一度もありませんでした。でも「校内ウイング」を利用し始めたことで、今では午前中から学校に行けるようになりました。
校内ウイングについて詳しくは市ホームページへ
\のぞいてみよう/
校内ウイングのモデル校
市では小中学校4校を校内ウイングのモデル校に指定しています。
その中の2校の活動や工夫を凝らした取り組みを見てみましょう。
晴嵐小学校 校内ウイング ひだまり

「ひだまり」では子どもたちが自分自身で過ごし方を決めています。
時間を決めて学習に取り組んだり、ウイングでエネルギーをためたら教室に戻って授業に参加したりする子もいます。

日常の何気ないおしゃべりを通じて、学年の垣根を超えたつながりが生まれています
ご家族と一緒に小さな一歩を見守ります

印象に残っているのは、子どもたちの変化の数々。登校時にお母さんと離れられなかった子が、笑顔で「行ってきます!」と手を振れるようになったときは、「こんな日が来るなんて」とお母さんも笑顔に。教室に入れなかった子が進級して普通に教室で過ごせるようになるなど、一つ一つの成長が私たちの喜びです。
悩みに寄り添う存在になりたい

不登校を経験した子への調査によると、肯定的な意見がある一方で、学習や進路、友人関係の後悔から、自己肯定感の低さに苦しむ子どもが多いことが明らかになっています。大切なのは、その子の現状に合わせた支援を行うこと。そのためにスクールカウンセラー等と連携しながら、校内の教育相談体制をさらに強化していきたいと考えています。今後も、保護者の方々が抱えるご心配やお悩みに私たちも寄り添い、協力しながら子どもの成長を一緒に支えていきたいと思います。
北大路中学校 校内ウイング ゆうの部屋
「ゆうの部屋」には金魚や熱帯魚の水槽があったり、人目が気になる生徒のためにパーテーションを設けたりなど、「教室っぽさ」に抵抗を感じる生徒でも安心できるように工夫しています。

ソファやクッションなどを置いて、居心地がよく、安心できる空間に

自分のペースで学習できるように支援をするなど、生徒自身が達成感を感じられるようにしています
心の充電が完了するまで、じっくりと向き合います

子どもたちに人とのつながりを感じてもらえるよう、さまざまな教員と交流できる「特別ふれあいタイム」という時間を設けるなど工夫しています。学校に来られない、教室に入れないのは、不安やしんどさで心のエネルギーが空っぽになっている状態なので、まずはその気持ちに寄り添いたいと思っています。
全ての子どもたちが安心して笑顔で学べる学校に

校内ウイングで過ごしていると他の子どもたちの動きや学校の雰囲気を肌で感じ、「自分も学校の一員だ」と思うことができます。このことが孤独感を和らげる大きな安心感につながります。また、自分の居場所の選択肢が増えることは、子どもたちが心に余裕をもつことにもつながります。校内ウイングは教室や社会でつながる橋渡しを担う場所。ここで過ごす時間は自分らしいペースで次の一歩を踏み出すための大切な準備時間だと捉えています。これからも全ての子どもたちが安心して学べる学校づくりに努めていきます。
みんなの安心が広がる学校へ
校内ウイングの取り組みは、全ての子どもが安心して過ごせる学校づくりにも結び付いています。子どもたちの気持ちに寄り添った支援により、どの子どもも安心して学ぶことができます。

各校では、それぞれの校内ウイングの取り組みを紹介するリーフレット等を作成しています。まずは学校へご相談ください。
心を休め、安心して過ごせるもう一つの居場所
教育支援ルームウイング

教育支援ルームウイングは、学校に行きにくいと感じる子どもが、安心して過ごせる「居場所」の一つです。小学生向けに瀬田・膳所・小野、中学生向けに瀬田・明日都浜大津・和邇の市内3カ所ずつあり、スポーツ活動や文化体験などの体験活動もたくさん実施しています。また、子育ての不安や悩みを共有できる保護者の会も開催しています。
心を休めたり、好きなことに挑戦したりできます
ふれあいタイム

信頼できる仲間とのゲームやおしゃべり。リラックスして、心をほぐす温かい時間です。
チャレンジタイム

支援員と一緒に、自分のペースで学習に取り組み、個々に合った学び方を探します。
マイプランタイム

折り紙や工作など、自分がやりたいことや好きなことを計画的に進めます。
体験活動

調理やスポーツなどの多彩な体験で、新しい「好き」に出会えるかも。
安心して本音を話せる親子並行面談

親子一緒に、歩み寄るお手伝いをします

親子並行面談担当(教育支援員・カウンセラー)
中学校ウイングを利用している子どもとその保護者には定期的な面談を行っています。私たちが行っている面談は、堅苦しいものではありません。最近観た映画や好きなゲームの話題などからはじめ、否定せずに話を受け止めて、まずは信頼関係を築くことを最優先にしています。面談を重ねるうちに、最初は緊張していた子も笑顔で帰れるようになるなど、確かな変化が見られます。また、面談を通して親子の絆が深まる事例も見てきました。もし今、一人で悩みを抱え込んでいる人がいるのなら、少し勇気を出して誰かに相談してみてほしいと伝えたいです。
次の一歩を踏み出すきっかけをつくりたい
小学校ウイング担当(教育支援員)
子どもたちの「これがやりたい」という主体性を尊重し、伴走するのが私たちの役割。新しい体験に一歩踏み出し、自信や達成感につながるきっかけになればと、体験活動(自由参加)も提供しています。
保護者や学校と連携し、お子さんの困り感、学校への行きづらさの理解を共に深めることも大切にしています。お子さんの安心できる過ごし方は何かを一緒に探していきましょう。
いつでも近くで、小さな変化を見守り続けます
中学校ウイング担当(教育支援員)
私たちが大切にしているのは、そばで寄り添う姿勢。子どもたちの何気ないつぶやきや表情、雰囲気などから言葉にならないサインを逃さずに受け止めるよう努めています。
日が経つにつれて表情が柔らかくなったり、自分の言葉で問いかけに返せるようになったり、日々一人一人の確かな変化と成長を実感しています。
教育支援ルームウイングについて詳しくは市ホームページへ
広報おおつWEB、2月号特集に関する
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